麗江から虎跳峽へ向かう
麗江の朝は高原の空気が澄んでいて、肌寒いくらいだった。そこで私は車をチャーターし、雲南省の名勝「虎跳峽(こちょうきょう)」を目指すことにした。運転手は地元のナシ族の男性で、片言の中国語とジェスチャーでなんとか意思疎通を取った。途中、少數民族の村に立ち寄り、自分で食材を選んで調理してもらうという珍しい体験もした。大きな竹籠に入った野菜や肉、川魚の中から気に入ったものを選ぶと、厨房で手際よく炒めてくれる。この“自選菜”のスタイルは、雲南省ならではの文化。香辛料の香りが立ち上り、素朴ながらも滋味深い味わいに満足した。
- チャーター車で約2時間の道のり
- 途中の村では少數民族の生活風景が垣間見える
- 料理は注文から15分ほどで完成、山椒の香りが強め
高原特有の青空と、遠くに見える雪山のコントラストが印象的で、まるで絵画のような光景だった。
虎跳峽の迫力に息をのむ
到着した虎跳峽は、長江の上流・金沙江が削り出した巨大な渓谷。谷底を流れる水の勢いは想像を超えており、まるで大地そのものが唸っているようだった。遊歩道を歩くと足元には岩肌がむき出しになり、轟音とともに白い飛沫が舞い上がる。歩いていると体の芯まで響くような振動が伝わり、自然の力に圧倒される瞬間だった。
- 入場料を払って遊歩道を下ると川の近くまで行ける
- 標高差があり、息が切れるのでゆっくり歩くのがコツ
- 途中にある展望台からは峡谷全体が見渡せる
その迫力を前に、「虎がこの川を跳び越えた」という伝説も納得できるほど。麗江からの小旅行の中でも、特に印象に残るスポットだった。
ナシ族の街を歩きながら感じた麗江の魅力
麗江の古城はナシ族が暮らす石畳の街並みで知られる。瓦屋根の家が連なり、細い路地を水路が流れている。昼間は観光客で賑わうが、早朝や夕方になると地元の人々が穏やかに暮らす姿が見られ、旅情を誘う。ナシ族の女性は民族衣装を身にまとい、肩には独特の刺繍入りの布をかけていた。彼女たちが営む土産物屋には、手織りの布や銀細工など、温もりを感じる品々が並ぶ。
- 街の中心・四方街には地元料理の店が多い
- 夜になると民謡を演奏するカフェも点在
- 観光地化が進む一方で、今も昔ながらの文化が息づいている
石畳を踏みしめながら歩いていると、異国にいながらどこか懐かしい気持ちになる。不思議な魅力をもつ場所だと感じた。
夜行バスで昆明へ戻る途中のハプニング
麗江での滞在を終え、夜行バスで昆明へ戻ることにした。当時はまだスマートフォンもなく、ガイドブックの地図が唯一の頼りだった。ところが、いざバス停に向かうと、案内されていた場所が全く違う。焦りながら周囲を歩き回っていると、同じく旅行中の中国人が声をかけてくれ、無事に正しいバス停を見つけることができた。そのときの安心感は今でも忘れられない。
- 麗江〜昆明間は約8時間の夜行バス
- 途中で何度か休憩があり、トイレは簡素な施設
- 早朝、昆明の郊外に到着
夜の山道を抜けながら、車窓に映る満天の星を見上げた。旅の終わりを告げるような静けさに包まれながら、心の中ではすでに次の旅のことを考えていた。
昆明から日本へ帰国、そして旅のまとめ
昆明の空港から日本へ帰国する日、出発ロビーで振り返ると、雲南省での数日間がまるで夢のように感じた。麗江の古城、虎跳峽の轟音、ナシ族の笑顔――どれも心に深く残る体験だった。一方で、生水による体調不良や道に迷うトラブルもあり、海外旅行の難しさも実感した。
- 雲南省は標高が高く、体調管理が大切
- 食べ物や水には注意、ペットボトルの水を選ぶのが無難
- 観光地間の移動は事前に確認を
それでも、この旅を通じて「未知の土地で人の優しさに触れる喜び」を知った。中雲南省 昆明 麗江 旅行記 を締めくくるにふさわしい思い出となった。いつかまた、麗江の街をゆっくり歩いてみたいと思う。
コメント