最近、日本でも「水タバコ」や「シーシャ」と呼ばれる文化がじわじわと広がってきています。普通の紙巻きタバコとはちょっと違う楽しみ方ができるので、若い人を中心に人気が出ているんですよ。
私が初めてシーシャを体験したのは、日本ではなくエジプトを旅行したときでした。カイロの街を歩いていると、路地裏のカフェやオープンテラスで、地元の人たちがのんびりとシーシャを吸っている光景によく出会いました。
エジプトの人にとっては、友達や家族とおしゃべりを楽しむときのお供みたいなもので、日本で言えば「コーヒーを飲みながら雑談する」感覚に近いんでしょうね。実際に現地のカフェに入って注文すると、大きなガラス瓶に水が入った器具がドンッと置かれて、ホースの先からふわっと香りが広がってきました。異国の雰囲気と相まって、とても新鮮な体験でした。

紙巻きタバコだと「煙を吸っている」という感覚が強いですが、シーシャはもっと柔らかくて香り豊か。吸い込むとフルーツやスパイスの香りが鼻から抜けて、煙というより「香りを味わっている」ような印象でした。私が試したのはアップル系のフレーバーだったんですが、甘い香りがほんのりして、まるでデザートのような感覚でしたね。

シーシャの一番の特徴は、フレーバーの種類の豊富さです。果物系ならアップルやマンゴー、ベリーなど。スパイス系ではシナモンやカルダモン、甘い系統ならバニラやキャラメル、さらには花の香りやコーヒー、ミント、ガム味まであります。中には2種類以上をミックスしてオリジナルの香りを作ることもできるので、「今日はどんな組み合わせにしようかな?」と選ぶ時間から楽しめるんです。
ここで少し仕組みを説明すると、シーシャは「水パイプ」と呼ばれるように、煙を一度水の入ったガラス瓶の中に通すことで、煙を冷やしてから吸う仕組みになっています。そのため、煙が熱すぎず、まろやかな吸い心地になるんですね。煙の元になるのは「タバコの葉」なんですが、普通のタバコと違って「モラセス」と呼ばれる糖蜜やグリセリンにフレーバーを混ぜ込んだものを使用します。これがあの独特の香りや甘さの秘密なんです。つまり、ただタバコを燃やしているのではなく、「香り付きの甘い煙」を楽しんでいるわけですね。
日本でもここ数年で「シーシャカフェ」が増えてきました。おしゃれな雰囲気のお店が多く、店内でゆったり座って友達と語り合ったり、一人でリラックスしながらパソコン作業をしている人もいます。ドリンクやスイーツを一緒に楽しめるお店もあり、まさに「くつろぎの空間」といった感じ。お酒を出すバー形式のお店もあるので、ちょっと大人な夜のリラックスタイムにもぴったりです。
もし興味がある方は、ぜひ一度シーシャカフェに足を運んでみてください。初めての方でもスタッフさんが吸い方を丁寧に教えてくれますし、フレーバー選びも一緒に相談できます。紙巻きタバコが苦手な人でも、香りを重視するシーシャなら楽しめるかもしれません。